自然の恵みの中で暮らすこと  米川 正利(山小屋生活50年、黒百合ヒュッテ主人)

その5 キノコ

キノコは山の高所から出始めて、順に下へ降りてきます。

高山のハイマツの中では、8月の初めにニオイイグチ類が出始めます。イグチ類は傘の裏がスポンジ状になっているので見分けやすく、ほとんどは食べられますが、八ヶ岳山中の一部に出るドクヤマドリタケは一見うまそうに見えても中毒を起こしますので要注意です。

キノコは山によって出る種類が異なります。松林だとマツタケ、コウタケ、広葉樹林ではシメジ類、カラマツ林はハナイグチ、高山の針葉樹だとシヨウゲンジ、イグチ類。枯れた木にもよく出ます。広葉樹のナラ、カバ、ブナなどの木にはナラタケ、クリタケ、エノキタケ、マイタケなどが出ます。キノコは比較的林がきれいで太陽の薄日が差し込むような場所に出やすいです。

キノコを見つけたら、その場所に一本だけとは限らないので回りをよく探すことです。木に生えるクリタケやナラタケ類は一本の木にたくさんつくので、一か所見つけると持ち切れないほど取れることもあります。

食べ方は、ほとんどのものは煮るのがよいのですが、天ぷらにしたりマツタケのように焼くのもいいものです。9月、10月が最盛期で山に霜が降り始めたころ、シモフリシメジなどが出るとキノコの季節は終わりです。


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