蓼科・八ヶ岳での田舎暮らし

神々の宿る 蓼科八ヶ岳物語

その9 御柱祭(3)

〈抽籤大総代〉

新年、おめでとうございます。いよいよ御柱祭の儀式が本格的に始まります。

上社の8本の御柱は、すべて「くじ引」で決まります。これは、明治23年から始まった上社独自の儀式で、少しでも大きな柱を引きたいと各地区では抽選の話で盛り上がります。では、この重圧の中、誰が抽籤をするのでしょうか?そもそも各地区の御柱祭の責任者を「大総代」と呼びます。戦前は、各地区の村長が交代で抽籤大総代を行っていたようですが、最近は、地区の大総代が抽籤を行うことが一般的になってきました。

御柱祭の大総代は、地区をまとめることができる信望のある人物がなります。本宮一の御柱を引いたものなら地元で絶賛されいつまでも語り継がれるくらい名誉なことなのですが、その逆もあるということです。

さて、本年、元旦より各地区では良い柱が当たりますようにと早朝まだ暗い中、大総代を筆頭に地区の人たちが上社に祈願に行きます。それは、2月15日の御柱抽籤式まで続けられ、大総代や村人は、緊張した思いで、ひたすら祈りながらその日を迎えることとなります。

余談ですが、昭和49年の御柱祭では義父が大総代を務めました。村人が役の取り決めや曳航の打ち合わせなどで家に集まり、義母はその接待で大変だったと思います。毎日、早朝より上社に祈願に行き、日中も御柱のことしか考えられないようで、落ち着かない様子でした。

いよいよ抽籤当日、「本宮一」を引いたときは、小さな村が沸いたものでした。

はたして、今年の抽籤式は、どうなるのでしょうか?

 

※この原稿は平成22年に掲載されたものです。


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